【財務の武器 vol.3】この数字が90%を超えていたら、会社は「薄氷の上」にいる

vol.1で「粗利益率」を取り上げたところ、
複数の方から反響をいただきました。

「粗利益率の話をしただけで、
 社長の反応が変わりました」

嬉しいご報告です。

今回は、その粗利益率の「次の一手」として、
もう1つの数字をご紹介します。

この数字を知っているだけで、
社長との会話がさらに一段深くなります。

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この数字が90%を超えていたら、会社は「薄氷の上」にいる
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その数字とは、「損益分岐点比率」です。

計算式はシンプルで、
固定費 ÷ 粗利益 × 100。

稼いだ粗利益のうち、
何パーセントが固定費の支払いに消えているかを表します。

【この数字が意味すること】

たとえば、損益分岐点比率が95%の会社。
これは、稼いだ粗利益の95%が
固定費で消えているということです。

利益として残るのは、わずか5%。
売上がたった5%減っただけで、赤字に転落します。

一方、損益分岐点比率が75%の会社。
粗利益の25%が利益として残っている。
売上が25%減っても、まだ赤字にはならない。

同じ「黒字企業」でも、
体力はまったく違うのです。

【なぜ社長に刺さるのか】

粗利益率は業種によって大きく異なります。
卸売業なら20%、IT業なら95%。
業種が違えば比較できません。

ところが、損益分岐点比率は全業種共通です。
卸売業であろうとIT業であろうと、
80%なら優良、90%を超えたら要注意。

だから、こう切り出せます。

「社長、御社の損益分岐点比率は約95%です。
 つまり、売上がわずか5%減るだけで
 赤字に転落する水準なんです。
 業種に関係なく、まずは90%を切ることが
 経営の安定ラインと言われています」

これを聞いた社長は、ほぼ例外なくこう聞き返します。

「じゃあ、うちはどうすればいいの?」

ここで初めて、会話が「現状確認」から
「改善」のフェーズに移ります。
そして、その延長線上に
法人保険の提案が自然に生まれるのです。

【実は、ほとんどの会社が90%台にいる】

私がこれまで見てきた中小企業の大半は、
損益分岐点比率が95〜99%のレンジにいます。

赤字にギリギリならない程度で着地している会社が
非常に多い。
社長自身も「利益を出す重要性」を
頭ではわかっていても、
具体的な目標数値を持っていないケースがほとんどです。

だからこそ、
「まずは90%を目指しましょう。
 そこから85%、80%と下げていけると理想的です」
と伝えるだけで、社長は目の前の霧が晴れたような
表情になります。

【今日のポイント】

vol.1の粗利益率は「社長との会話の入口」でした。

今回の損益分岐点比率は、
「この会社が今、どれだけ危ないか」を
業種を問わず、たった1つの数字で語れる武器です。

次に社長と会うとき、
「御社の損益分岐点比率、ご存知ですか?」
と聞いてみてください。

社長が答えられなかったら──
それこそが、あなたの出番です。

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この記事を書いた人

公認会計士・税理士。EY新日本有限責任監査法人で会計監査に従事したのち、プルデンシャル生命保険でライフプランナーとして8年間、社長と向き合う営業の現場に立つ。2021年に独立し、中小企業の財務顧問として経営に関わる。現在は保険を販売する立場になく、「財務読み解き道場」を通じて、保険営業に携わる方が社長の前で財務を語れるようになるための型を伝えている。

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