前回は、現預金・借入金・純資産の
3つの数字で、会社が8つのどこに
いるかを見分ける方法をお伝えしました。
今回は、その中の「借入金」を
もう一歩深く読みます。
BSには書かれていない、
もう1本の借金の話です。
【その借入金、社長が背負っていませんか】
中小企業が銀行からお金を借りるとき、
ほぼ必ず付いてくるものがあります。
社長個人の連帯保証です。
BSの借入金は、会社の借金です。
ところが連帯保証が付いていれば、
同じ金額が、社長個人の借金でもあります。
BSのどこを探しても、
この「もう1本の借金」は載っていません。
だから、決算書だけを見ていると
見落としてしまうのです。
【「保証人」という言葉にだまされない】
普通の保証人なら、銀行に
「まず会社に請求してください」
と言えます。
連帯保証人は、それが言えません。
返済が滞った時点で、銀行は
会社を飛ばして、社長個人に
全額を請求できます。
連帯保証人は、法律上、
借りた本人とほぼ同じ立場です。
【万が一のとき、連帯保証は家族に相続される】
ここが一番大事なところです。
社長が亡くなると、連帯保証も
相続財産として家族に引き継がれます。
相続人が複数いれば、
法定相続分で分けて相続されます。
経営に関わっていない奥様にも、
お子様にもです。
もちろん、会社が返済を続けていれば、
家族に請求が来ることはありません。
問題は、社長がいなくなって売上が落ち、
返済が滞ったときです。
社長に頼っている会社ほど、
このリスクは現実のものになります。
【誰も、社長に教えていない】
これほど重い話を、
なぜ多くの社長は知らないのか。
融資担当の銀行員は「貸すまで」が仕事で、
相続の場面には立ち会いません。
顧問税理士の仕事は税金の計算で、
保証契約は守備範囲の外です。
悪気があるわけではありません。
持ち場が違うだけです。
ただその結果、社長の周りには
このリスクを伝える人がいないのです。
【社長に刺さる伝え方】
前回の3つの数字を確かめたら、
借入金の欄を指して、こう聞きます。
「社長、この借入金は、
社長個人で保証されていますか?」
社長は必ず覚えています。
「している」と返ってきたら、続けます。
「社長、名前は『保証』ですが、
中身は社長個人の借金と同じです。
万が一のときは、奥様やお子様に
分かれて相続されます。
ご存じでしたか?」
問い詰めるのではなく、
社長自身に気づいてもらうことが大切です。
連帯保証は、外す方法もあります。
ただ、外れるまでには時間がかかります。
その間に万が一があったらどうするか。
ここから、事業保障の話が
自然に始まります。
【今日のポイント】
BSの借入金を見たら、
連帯保証の有無を必ず聞く。
会社の借金は、家族の借金にもなり得る。
それを社長に伝えられるのは、あなたです。

コメント